岐阜県は全国的にみても古い街並みが残り、重要伝統的建造物群保存地区に認定される地域が多い地域です。
中でも、飛騨高山の古い街並みは、国内外問わず多くの人々を魅了しています。
今回は町家・古民家好きのライターが実際に飛騨高山に訪れて、おすすめだったスポットをご紹介します。
まずは飛騨高山の歴史について予習
高山は、豊臣秀吉に仕えた武将・金森長近によって築かれた城下町。16世紀に金森長近が高山城と城下町を整備し、高山の町が誕生しました。
幕府の直轄地となった江戸中期以降は、商人が活躍して林業や商工業が飛躍的に発展。豪商たちにより独特の文化が花開きました。
今も飛騨の匠と豪商がうんだ商家群の優美な街並みが残っています。
古い町並みを構成する、飛騨高山の町家の特徴
上一之町、上二之町、上三之町からなる「さんまち」を中心に、昔ながらの町家が軒を連ねるレトロな町並みが残されています。
この辺りでは、飛騨高山の町家の特徴を持った建物が多く、軒が低く小庇、日除け庇のある町家が軒を連ねます。
また、雪国という特徴から、奥に長い造りの建物への採光をはかるために作られた「明かり取り」や、目隠しと明かりとりの目的で作られた「出格子」、町家を家事から守るための防火用水「用水路」を街中で目にすることができます。
高山の観光の拠点「三町」
上一之町、上二之町、上三之町を中心とした「三町(さんまち)」は、高山観光の拠点となる地域。
重要伝統的建造物群保存地区に認定されているエリアでもあります。
出格子や低い軒が連なる高山特有の古い街並みに、店舗が賑やかに並ぶ地域です。
飛騨の匠が手がけた重厚な古い町並みを堪能できる「下二之町大新町」
高山のメイン通り安川通りをはさんだ「三町」の北側が「下二之町大新町」です。
こちらも「三町」と同じく、重要伝統的建造物群保存地区に認定されている地域。
出格子や低い軒が連なる三町の古い街並みとは異なり、飛騨の匠が手がけた明治建築の豪奢な町家が残っています。
人が多く行き交う三町に比べると、落ち着いて回れるエリアです。
下二之町大新町にきたら外せないスポット「日下部民藝館」
江戸時代や明治時代の建築が随所に残る高山を代表する町屋造りで、隣接する吉島家住宅とともに国の重要文化財に指定されている日下部家住宅 / 日下部民藝館。
名匠が存分に腕を振るった、豪商の館ならではの雰囲気を堪能できます。
また、 日下部民藝館に隣接する伝統的な町家を改修した、1日1組限定のラグジュアリーヴィラ「谷屋」を2022年10月10日(月)にオープンさせています。
高山以外にも見所いっぱい!岐阜県の古い街並みへ
岐阜県の古い街並みは「飛騨高山」以外にもたくさん。
中山道43番目の宿として賑わった馬籠宿から59番目の今須宿まで、17の宿場町があり美濃十七宿、長良川の支流である吉田川をはじめ、3本の河川が町の中心を流れる「郡上八幡」、江戸時代の商人の町で、この「うだつ」が多く残る「美濃」など、多くの古い街並みが残ります。
岐阜県は全国的にみても重要伝統的建造物群保存地区に認定された地域が多数
重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)は、昭和50年の文化財保護法の改正により、歴史的な風致を形成している伝統的な建造物群を、新しいカテゴリーの文化財として残していこうと始まった制度です。
高岡市山町筋(富山)や彦根市河原町芹町地区(滋賀)など町屋・町家の残る地区をはじめ現在全国104市町村で126地区(合計面積約4,023.9ha)、合計約30,000件の伝統的建造物及び環境物件が特定され保護されています。
山村集落の白川村荻町をはじめ、郡上市郡上八幡北町、美濃市美濃町など6つの古い町並みが認定されています。
・高山市三町(商家町)4.4ha
・高山市下二之町大新町(商家町)6.6ha
・美濃市美濃町(商家町)9.3ha
・恵那市岩村町本通り(商家町)14.6ha
・郡上市郡上八幡北町(城下町)14.1ha
・白川村荻町(山村集落)45.6ha