重要伝統的建造物群保存地区に選定!須坂の蔵の町並み(長野県)

  • URLをコピーしました!
重要伝統的建造物群保存地区 須坂

令和6年5月17日(金)に開催された文化審議会審で重要伝統的建造物群保存地区に選定された長野県の須坂の蔵の町並み。

長野県北東部に位置する須坂市は、千曲川右岸に広がる美しい街です。この地は、群馬県境の山々から西に向かって流れる百々川と松川の間に広がる扇状地に位置し、自然の美しさと歴史的な魅力が交錯する場所として知られています。須坂市の中心部には、十字に交差する街道があり、古くから交通の要衝として栄えてきました。

今回はそんな須坂の街並みについてご紹介します。

目次

重要伝統的建造物群保存地区をおさらい

重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)は、昭和50年の文化財保護法の改正により、歴史的な風致を形成している伝統的な建造物群を、新しいカテゴリーの文化財として残していこうと始まった制度です。

重伝建
脇町 うだつの町並み(徳島県)

高岡市山町筋(富山)や彦根市河原町芹町地区(滋賀)など町屋・町家の残る地区をはじめ現在全国104市町村で126地区(合計面積約4,023.9ha)、合計約30,000件の伝統的建造物及び環境物件が特定され保護されています。

北信地方の製糸業の隆盛を伝える豪壮な主屋が建ち並ぶ近代の商家町「須坂」

長野県北東部に位置する須坂市は、千曲川右岸に広がる美しい街。

この地は、群馬県境の山々から西に向かって流れる百々川と松川の間に広がる扇状地に位置し、自然の美しさと歴史的な魅力が交錯する場所として知られています。須坂市の中心部には、十字に交差する街道があり、古くから交通の要衝として栄えてきました。

重要伝統的建造物群保存地区 須坂
出典:Go NAGANO

須坂市の歴史は、元和2年(1616)に須坂藩が成立し、陣屋が置かれたことに始まります。

この地は、江戸時代から近世を通じて、街道沿いの物資の集散地として繁栄しました。特に、江戸末期から明治初期にかけては、器械製糸業が盛んになり、明治8年には「東行社」と呼ばれる製糸結社が設立され、製糸業の中心地として発展を遂げました。

製糸業と商業地の発展した蔵の町並み

明治後期から大正期にかけて、須坂市は製糸業の全盛期を迎えた須坂。

人口の増加に伴い、街は商業地化が進み、繁栄の一途をたどりました。街道沿いには、重厚な大壁造瓦葺の店舗が建てられ、小路には長屋や小規模な住宅が高密度に建ち並びました。このような歴史的な街並みは、現在も保存地区として大切に保全されています。

須坂 蔵の町並み
出典:Go NAGANO

重要伝統的建造物群保存地区に選定された約18.3ヘクタールの中心部

須坂市の保存地区は、大笹街道、谷街道、山田道の交差点である中町の辻を中心に、街道に面する区域約18.3ヘクタール。

ここは、須坂の旧中心部であり、江戸後期から昭和20年代頃までに建てられた主屋を中心に、武家住宅や土蔵、製糸関連施設、寺社などが一体となって歴史的風致を形成しています。

須坂 蔵の町並み

街道に面した主屋は、店舗部と住宅部から構成されており、店舗部は街道に開口し、住宅部は脇門を通じて平入とされています。特に明治期以降に建てられた主屋は、華やかな意匠が施され、街道沿いの景観に変化をもたらしています。

また、製糸業で栄えた商家の建物などの基礎には「ぼたもち石」と呼ばれる丸石が積み上げられており、製糸業で栄えた当時の繁栄を物語っています。

蔵の町並み

須坂市須坂伝統的建造物群保存地区は、近世を通じて十字に交差する街道を中心に発展した町場を基盤として、近代における製糸業の隆盛とともに商業地として栄えた歴史を持っています。

江戸末期から昭和前期にかけて建築された装飾的な意匠をもつ大壁造の商家や、町場の拡大に伴い高密度に建ち並んだ長屋、土蔵や寺社など、多様な建築物が一体となって、独特の歴史的風致を形成しています。

その豊かな歴史と伝統を今に伝える貴重な地域として、訪れる人々に深い感動を与え続けている須坂。北信地方における製糸業の隆盛をよく伝える価値の高い地域として、人々を魅了します。

蔵の町並み須坂で観光!街歩きスポットを紹介

重要伝統的建造物群保存地区 須坂

現在でも当時建てられた豪壮な土蔵造りの旧製糸家建物や繁盛した大壁造りの商屋などの町並みが残されている「須坂」。

蔵を生かした商店、博物館、美術館などで当時を偲ぶことができます。

須坂市観光協会の蔵の町並み観光マップもぜひ参考にしてみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次