日常では見慣れない様相ながら、どこか懐かしさや落ち着きを私たちに与えてくれる古い街並み。昼間にはやすらぎを、夜間には幻想的な世界を目にすることができます。
今回は愛知県や名古屋市の古い街並み・おすすめスポットの古い街並みをご紹介します。
愛知県や名古屋市の古い街並み・おすすめスポットの代表的な古い町並み
高層ビルが立ち並ぶ名古屋市中心街や、工業地域の町並みから、古い町並みを想起しづらい愛知県ですが、江戸時代に整備された五街道の1つ東海道にをはじめ、数多くの古い街並みに出会うことができる都道府県の1つです。
名古屋市内には、名古屋城の完成とともに造られた商人の町「四間道」や、絞り染めで全国に知られた尾張藩の茶屋集落「有松」などの古い街並みが、ほかにも国宝犬山城の城下町「犬山」、醸造町・港町として栄えた「半田」など、山・海・街に根付いたまちなみにであうことができます。
愛知県や名古屋市の代表的な古い街並み
- 有松(染織町)7.3ha
- 足助(商家町)21.5ha
- 岡崎(醸造町)
- 犬山(城下町)
- 常滑(焼物の町)
- 半田(醸造町・港町)
- 四間道(商家町)2.8ha
愛知県の重要伝統的建造物群保存地区
重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)は、昭和50年の文化財保護法の改正により、歴史的な風致を形成している伝統的な建造物群を、新しいカテゴリーの文化財として残していこうと始まった制度です。
愛知県の重要伝統的建造物群保存地区は2ヶ所。慶長13年(1608)に尾張藩の奨励によってつくられた「有松」と、妻入りや平入りの変化に富んだ家並みが約2Kmにわたって続く「足助」です。
愛知県の重要伝統的建造物群保存地区
- 有松(染織町)7.3ha
- 足助(商家町)21.5ha
愛知県・名古屋市の古い町並み、オススメその1「四間道」
まずは名古屋駅から徒歩圏内の古い町並みを紹介。江戸時代のはじめごろ、名古屋城の完成とともに造られた商人の町「四間道」です。
石垣の上に建つ土蔵群と軒を連ねる町家が通りに面して建ち並んでいます。
「四間道」という名前の由来は諸説ありますが、元禄13年(1700)の大火に見舞われたことを機に、延焼を防ぐことを目的とし、四間(約7m)という広い道路に拡張した事から「四間道」という名がついたと伝えられています。
名古屋市内ということもあり、安政元年から続く菓子店など老舗に混じり、築100年以上にもなる古民家を改装したカフェがオープンするなど、さまざまな町の顔を感じることができます。
愛知県・名古屋市の古い町並み、オススメ2「有松」
慶長13年(1608)に尾張藩の奨励によってつくられた有松。こちらも名古屋市内の古い町並みです。
耕地も少なかったため、副業として絞染めを工夫したのが有松絞のはじまりです。 天明4年(1784)の大火により村の大半が焼失。火災に備えて漆喰を厚く塗り込めた塗籠造とし、萱葺き屋根に替わって瓦葺が使用されました。
重要伝統的建造物群保存地区にも指定。今も当時の面影を残した町家が並び、有松地区ならではの風情を漂わせています。
有松のおすすめスポット「竹田家住宅」
絞商の町屋建築を良く残した、有松東海道を代表する建物のひとつ「竹田家住宅」。名古屋市指定文化財・都市景観重要建築物にも指定されています。
徳川14代将軍家茂公が寄ったと伝えられる茶室「栽松庵」が現存しています。座敷の浪打ガラスを通して眺める庭園は、四季折々の植栽でいつ訪れても楽しむことができます。
二階の壁は黒しっくいの塗ごめ造り、ひさしには明治期のガス燈が乗り、当時の商家の繁栄ぶりを細かく今に残しています。
有松のおすすめスポット「岡家住宅」
毎週土・日曜日に建物公開されている「岡家住宅」。
江戸末期の建造で重厚な建築形態を良く残した建物で主屋の間口は有松でも最大級の町屋です。名古屋市指定文化財・都市景観重要建築物されています。
愛知県・名古屋市の古い町並み、オススメ3「足助」
戦国時代には原型が形成され、江戸初期には今のような町割りとなった足助。
江戸時代に伊那街道の宿場町として栄えました。消化薬ラバ並ぶ現在の街並みは、安永4年(1775)の大火後に作られたもの。防火を意図して漆喰で軒先まで塗り固めた塗籠造りの町家が建ち並び、今日にその面影を伝えています。
妻入りや平入りの変化に富んだ家並みが約2Kmにわたって続き、平成23年6月、愛知県で初めての国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
足助のおすすめスポット「旧田口家住宅」
江戸時代末期以前に建造された「旧田口家住宅」。
高い天井や奥に長い屋敷構など、足助の町家建築の特徴を多く残した町家です。
一般公開されており、その内観も確認することができます。