日本を代表する中世都市遺跡を体感できる博物館「福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」が、福井県立恐竜博物館へも1時間以内でアクセスできるエリアに、2022年10月1日にオープンしました。
朝倉氏が5代約100年間にわたって治めた城下町跡がほぼ完全な形で発掘された、国内でも稀有な事例。まるで500年前のタイムカプセルかのようにその全容を確認することができます。
日本を代表する中世都市遺跡を体感できる博物館「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」
一乗谷朝倉氏遺跡にあたる城下町では、最盛期には1万人もの人々が暮らしていたとも考えられています。
織田軍によって焼き討ちに遭い、400年ものあいだ土に埋もれていた遺跡は、当主の館・武家屋敷・寺院・町屋・職人屋敷、道路や井戸、庭園に至るまで、その町並みがほぼ完全な姿で発掘されました。国の特別史跡・特別名勝の指定を受けた貴重な都市遺跡で、出土品は重要文化財にも指定されています。
初めて発掘調査のメスが入れられた1967年より、毎年計画的な発掘調査・研究が重ねられ、戦国城下町の実像に迫る数多くの大きな成果を挙げてきました。その成果が、このたび新たに開館した博物館でふんだんに紹介されていて、戦国城下町の歴史ロマンを存分に味わうことができます。
280点以上の国指定重要文化財を常設
常時展示している資料は約800点に及びます。県の収蔵品約160万点から厳選し、 朝倉将棋の駒など国指定重要文化財はうち約280点に上ります。
2階の基本展示室では(広さ約560平方メートル)は、朝倉氏の歴史と城下町一乗谷について、豊富な出土品をもとに展示紹介しています。様々な生活用品や職人の道具、武器武具、文化的な暮らしぶりを物語る遊芸の道具などのほか、古文書や絵図も展示しています。
町並みを再現した城下町ジオラマには表情豊かな人形たちを配置。周囲に設置されたタッチパネルを操ると、ジオラマ内を散策している視点で通りを進んだりと楽しむことができます。
見どころは他にも多彩です。5代当主・朝倉義景の館を原寸再現した「朝倉館(あさくらやかた)」、川湊の一角もしくは道路を見つかったまま露出展示する 「石敷遺構(いしじきいこう)」などがあります。
朝倉氏の歴史と遺跡発掘の歩みをまとめた映像や、遺跡の発掘調査や遺構を守る仕事について紹介する「探求ラボ」もあり、子どもたちにも親しみやすい内容となっています。
一乗谷朝倉氏遺跡博物館の概要
名 称:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(愛称:あさみゅー)
住 所:〒910-2151 福井県福井市安波賀中島町8-10
開館時間:9:00~17:00(休館日:毎週月曜日、年末年始)
観覧料: 一般700円、高校生400円、小中学生200円、70歳以上350円
お問い合わせ先:0776-41-7700