都市圏から離れて地方や田舎でで過ごしたい、移住してみたい。古民家や町家をリノベーションして自分なりの暮らしを楽しみたい。
そんな時には、空き家の売り手と借り手を仲介してくれるサービス「空き家バンク(空き家情報バンク)」がおすすめです。今回は長野県の空き家バンクをご紹介します。
空き家バンクを探す前に、長野県の特徴をご紹介
長野県には77の市区町村があります。本州のほぼ中央に位置し,山地の総面積が県の84%を占める山岳県。まわりには標高3000メートルクラスの高い山が連なっており、「日本のやね」と呼ばれています。千曲川と犀川が日本海に流れ、天竜川と木曽川は太平洋に流れ込み、主な川の周りには盆地が広がる、自然豊かな地域です。
長野県は「信州」とも呼ばれ、「信州そば」や「信州みそ」など馴染み深いものがあります。また、日本で最も多くの県と隣接し、毎年多数の観光客を受入れています。白馬や志賀高原など人気の高いスキー場があり、1998年に第18回冬季オリンピックの開催地となりました。観光名所としては国宝の善光寺や松本城などがあり、地獄谷野猿公苑は日本に訪れる外国人観光客の間で人気スポットになっています。長野県は全国一の健康寿命県であり、移住したい都道府県ランキングで14年連続1位になっています。
長野県には宿場町をはじめとした、7つの地域が重伝建(重要伝統的建築物保存地区)に指定されています。塩尻市奈良井、塩尻市木曾平沢、南木曽町妻籠宿など、世界的にも有名なエリアがここに当たります。
中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道など、高速道路の充実によって、東京・名古屋・大阪の三大都市圏に手軽にアクセスが可能です。また北陸新幹線長野・東京間の開業などにより、電車でのアクセスも手軽です。
長野県は海岸から遠く離れた内陸に位置していることから、全県的に内陸特有の気候です。県土の広い長野県は日本海側気候の特色と太平洋側気候の特色を併せもち、山脈や盆地の形状などにより地域の天候が異なっています。長野県は周囲が高い山に囲まれているため、台風や梅雨による影響も少なく、全般的に過ごしやすい土地柄と言えます。
長野県で空き家バンクを利用するにあたっても、上記の特徴を理解しておけば、気になる自治体を選びやすいのではないでしょうか。
長野県の空き家バンク一覧
長野県下の空き家バンクは以下の通りです。
空き家バンク利用上の注意
空き家バンクの利用にあたって意識しおきたいことをまとめてみました。
生活環境が自分に合っているとは限らない
空き家を手放すからにはそれなりの理由があることが考えられます。
例えば下記のようなパターンが考えられます。
- 交通の便が良くない
- 生活に必要な施設(スーパーや病院など)が近郊にない
- 学校や役所などが近郊にない
上記のように施設に関連するものもあれば、その地域の特徴やコミュニティになじめるかどうかも重要です。物件の購入を決める前や入居前には、必ず現地で内部や周辺環境を確認しておきましょう。
空き家期間が長い古民家だと、物件に問題がある可能性も
空き家物件自体に問題がある可能性があります。
修繕などで費用が想像以上に発生する可能性と、建て替えや売却ができない物件です。
修繕などで費用が想像以上に発生する可能性
空き家になって人が生活しなくなると、どうしてもいたみやすくなってしまいます。
リノベーションによる修繕を前提に物件を探されている方も多いと思いますが、予想以上に修繕費がかかる可能性があることを考慮しておく必要があります。残置物の撤去が発生することも多いため、ここにも費用が発生します。
建て替えや売却ができない古民家も
建て替えができないパターンは、接道義務をみたいしていないなど再建築不可物件である物件。
こちらは、再建築不可物件を魅力的な物件へ”リノベーション”する、接道義務を満たす土地にするなど、事前に理解しておくことで、「固定資産税や都市計画税が安い」「相続対策に有利」などのメリットを教示することが可能です。
売却ができない物件は僻地で買い手がいないパターン、事故物件などで買い手が見つからないパターンなどがあります。この辺りも把握しておくとよさそうです。
所有者と直接交渉する必要があるものも
空き家バンクが不動産会社を介して契約できる仕組みを作っていることもありますが、
そうでないパターンが多く所有者と直接交渉する必要があります。
空き家バンクを運営しているのは自治体です。営利目的ではないため、契約や仲介に関与していません。所有者と直接交渉する必要があることを理解しておきましょう。心配であれば現地の不動産会社に間に入ってもらうことも可能です。
無料譲渡の場合の古民家にかかる費用を知っておきましょう
無料で空き家を譲ってもらっても、取得するためにはさまざまな税金などの支払いが必要です。
空き家バンクで手に入れた古民家を自身の名義にするために必要な費用を確認して、資金計画を立てましょう。
購入した物件の所有権を公的に証明する「登記費用」
<空き家バンクで取得した古民家の登記にかかる費用>
・登録免許税:固定資産税評価額の2%
・司法書士代行費用:数万~5万円 / 1件
・印紙代:200円
「不動産登記」は義務化されていないため、対応しない方も。
しかし、物件の悪用や所有権の争いといったトラブルを防ぐために、古民家を無償で取得した場合でも、登記の手続きを行うことを強くおすすめします。
かかるのは下記の金額。
空き家バンクで取得した古民家にかかる税金
個人から個人への譲渡: この場合、贈与税が譲られる側に課せられる可能性があります。譲る側には所得税や住民税が課されることはありません。
個人から法人への譲渡: 譲られる側の法人には法人税が課せられる可能性があります。また、譲る側の個人には贈与税が発生する可能性があります。
法人から個人への譲渡: 個人が法人から不動産を無償で譲り受ける場合、個人には贈与税が課せられる可能性があります。法人側には法人税が発生することが一般的です。
法人から法人への譲渡: 法人間での譲渡では、受贈側の法人に対して法人税が課せられることがあります。譲渡側の法人には、場合によっては特定の税金が発生することがあります。
不動産の無償譲渡では、譲る側と譲られる側にそれぞれ課せられる税金が異なります。
これらの税金は、譲渡が個人間で行われる場合と法人間で行われる場合によっても異なるので、具体的には上記の4つのパターンに分けて確認しましょう。
これらの税金の詳細や手続きについては、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
正確な情報を得て、適切に対応することで、不要な税負担を避けることができます。